生クリームはお菓子作りに欠かせない素材です。デコレーションケーキや多彩なデザートに使用すると、見た目も味も一層豪華になります。
しかし、スーパーマーケットに行くと様々な生クリームが並んでおり、選択に迷うことも多いですね。
生クリームには植物由来のものと動物由来のものがあり、それぞれ特性や使い道が異なります。
この二つの違いを知ることで、料理やお菓子作りで最適な生クリームを選ぶことができます。
この記事では、以下の二点に焦点を当てて詳しく説明します。
・植物性と動物性生クリームを見分ける方法とその特徴
・それぞれの生クリームを効果的に使い分ける方法
これらの情報を身につけ、生クリームをより上手に使いこなしましょう。
植物性と動物性の生クリームを見分ける方法とその特徴
スーパーマーケットのクリーム売り場では、「生クリーム」や「ホイップ」など、多様なクリームが並んでいます。
植物性と動物性のクリームを見分ける最も手軽な方法は、パッケージのラベルを確認することです。
植物性クリームの場合、パッケージには「乳等を主要原料とする食品」と表示されており、主に植物油脂を使用しています。
これには乳化剤、安定剤、香料などの添加物が多く含まれています。
動物性クリームでは、パッケージにはシンプルに「クリーム」と表示されており、生乳やクリームなど牛乳由来の成分が主です。
通常、これに添加物は含まれていません。
法律上、植物性クリームは「クリーム」と表示することが禁じられているため、「乳等を主要原料とする食品」という表記がなされます。
対照的に、動物性クリームは「生クリーム」として定義されており、単純に「クリーム」と表示されることが一般的です。
クリームを購入する際には、これらの表示を見て、どちらのタイプのクリームであるかを判断することができます。
今回は植物性クリームと動物性クリームの特性を詳しく比較してみましょう。
植物性クリームと動物性クリームの比較表
特徴 |
植物性クリーム |
動物性クリーム |
味の特徴 |
軽くてさっぱりした味わい |
コクがあり、豊かな風味 |
価格 |
200mlあたり約200円 |
200mlあたり約400円 |
泡立ち |
泡立つまで時間がかかるが持続性あり |
泡立ちは早いが持続性は低い |
賞味期限 |
未開封で約2〜3ヶ月 |
未開封で約1週間〜10日 |
植物性クリームは主にナタネ油、パーム油、ヤシ油などの植物油脂が使用されています。これにより、非常に軽やかでさっぱりとした味わいが特徴です。
また、「コンパウンドクリーム」というタイプは、植物油脂に少量の乳脂肪を加えることで、乳脂肪の風味を残しつつ、さっぱりとした味わいが楽しめるため人気があります。
一方で、動物性クリームは生乳が主原料です。そのため、牛乳本来の風味とコクが際立ち、乳脂肪の量が多いほど味わいが濃厚になります。
これはクリームの特性として、料理やデザートに深みを加えるのに適しています。
植物性クリームと動物性クリームの間で見られる価格、泡立ち、賞味期限の違いについて詳しく見ていきましょう。
価格の違い
植物性クリームと動物性クリームでは価格差が大きいです。
たとえば、動物性クリームは200mlで約400円かかるのに対し、植物性クリームは同じ量で約200円となり、価格はほぼ半額です。
動物性クリームの価格は、乳脂肪分が多ければ多いほど上昇します。
普段の使い道にはコスト効率の良い植物性クリームが適しており、特別な料理にはより高品質な動物性クリームがおすすめです。
泡立ちの違い
植物性クリームは泡立つまでに時間がかかるものの、泡立ちが安定しており、ボソボソになることが少ないので、お菓子作りの初心者に向いています。
一方、動物性クリームは迅速に泡立つものの、泡立て過ぎると脂肪分と水分が分離しやすく、ボソボソになりがちです。
過剰に泡立てた場合は、そのクリームをバターとして再利用する方法があります。
賞味期限の違い
植物性クリームには保存料などの添加物が含まれているため、未開封の状態で2~3ヶ月程度保存可能です。
一方、動物性クリームは未開封でも賞味期限が1週間から10日間と短いです。どちらのクリームも、開封後はなるべく早く使用することが推奨されています。
生クリームの選び方と活用法:植物性と動物性の特性
生クリームは一般的にホイップクリームとして使われますが、特にケーキデコレーションには動物性クリームが適しています。
動物性クリームはその豊かな風味が魅力で、デコレーションにおいても形がしっかりと保持されます。
乳脂肪分が高いほどクリームは固定しやすく、形崩れしにくいです。
ケーキのデコレーションには、乳脂肪分が40%以上のクリームを選ぶことが望ましいです。
乳脂肪分が35%のクリームだと、どんなに良く泡立てても柔らかすぎてデコレーションには不向きですが、スポンジとの間に挟む分には問題なく使用できます。
植物性クリームと動物性クリームを混ぜて使用することも一つの手ですが、その場合は乳脂肪分が40%以上に調整することが重要です。
チーズケーキやガトーショコラのように、生地に混ぜ込む場合には植物性クリームでも十分機能します。
また、シチューやスープに牛乳の代わりとして植物性クリームを使うと、コストを抑えつつも料理にコクを加えることができます。
さらにリッチな味わいを求めるなら、動物性クリームの使用がおすすめです。
まとめ
スーパーマーケットの乳製品コーナーには、植物性と動物性の生クリームがあり、それぞれのパッケージには明確な表示がされています。
植物性クリームのパッケージには「乳等を主要原料とする食品」という表記がありますが、動物性クリームの場合は単に「クリーム」と記されています。
クリームの選び方には、使用目的を考えることが重要です。
植物性クリームはその安定した性質から、焼き菓子や一般的な料理に加えるのに適しています。
一方、動物性クリームはその豊かな風味と優れた泡立ちから、ケーキのデコレーションに最適です。
日常の調理には価格が手頃な植物性クリームを使用し、特別な機会や洗練されたデザート作りには動物性クリームを選ぶと良いでしょう。
いずれのタイプも、開封後は保存期間が短くなるため、使い切るまでの期間を短くすることが推奨されます。