多くの店舗や若者たちによく使われる「～の方、お願いします」や「～の方お持ちしました」というフレーズ。
これらは日常会話では一般的ですが、実は敬語としては適切でないとされることがあります。
ビジネスの場では、上司やお客様と適切にコミュニケーションを取るために、正しい言葉遣いが求められます。
本記事では、「～の方」の表現がなぜ敬語として不適切とされるのかを解説し、よりふさわしい代替表現を提案します。
「～の方」の用法とその意味について
「～の方」という表現は、複数の意味を持ちます。
これには方向、方角、方位を指す使い方が含まれるほか、あいまいにある部門や分野を示す場合や、選択肢の中から特定のものを指すときにも使われます。
この表現は、具体的な方向性や分野を指し示す際に便利です。
「～の方」を敬語として使用する際の一般的な誤解
「～の方」というフレーズは若者によく用いられますが、時に不適切な敬語と見なされることがあります。
これは、不必要に曖昧な表現を用いるために起こります。
「お荷物の方」といった表現の不適切な使用
「～の方」という敬語の使用法にはしばしば誤りが見られます。たとえば、「お荷物の方、お預かりします」は正しくは「お荷物をお預かりいたします」と言うべきです。
「お会計の方お願いします」は「お会計をお願いします」に、「メニューの方お持ちいたしました」は「メニューをお持ちしました」に修正すべきです。
これらの表現は、特にアルバイト従業員が使用することが多い「バイト敬語」と呼ばれ、一般に改善されるべきものです。
他と比較する必要がない場合、「の方」という言い回しは余計であるとされています。
「〜の方」の適切な使い方
「〜の方」という表現は、時に「バイト敬語」として不適切に使われがちですが、正しい文脈で使用すればビジネスの場でも有効です。
このフレーズは、特定の「方向」や「分野」を指したり、複数ある選択肢から一つを選ぶ際に用いるのに適しています。
ビジネスコミュニケーションでよく見られる使い方に、「担当者の方から連絡をいたします」という例があります。
この場合、連絡が担当者のグループによって行われることを意味し、適切に使用されています。
【適切な使用例】
○○から業務を引き継ぎましたので、これからは私が連絡を取らせていただきます。
提案された二つのデザイン案の中から、こちらの案を採用することにしました。 あの店は、市の北部に位置していると記憶しています。
「～の方」の省略による明瞭な表現法
「～の方」というフレーズは、意味が明確に伝わる場合、省略しても問題ないため、不要ならば省略するのが推奨されます。
簡潔で直接的な表現にすることで、コミュニケーションがよりクリアになります。
例えば、「お荷物の方、お預かりします」を「お荷物をお預かりいたします」に、「お会計の方お願いします」を「お会計をお願いします」に、また「メニューの方お持ちいたしました」を「メニューをお持ちしました」に変更することで、表現が洗練されます。
その他、「私の方からご連絡をいたします」を「私からご連絡をいたします」に、「こちらの方を採用します」を「こちらを採用します」に、「北のほうにあったと思います」を「北にあったと思います」と調整することも良い例です。
「～の方」は適宜用いると婉曲的で丁寧な印象を与えますが、時には直接的な表現の方が明確で理解しやすいことがあります。
バイト敬語の典型的な例
特にバイトの現場でよく耳にする「お箸の方おつけいたしますか？」などの表現には注意が必要です。
「～の形になります」や「よろしかったでしょうか」など、日常的に使われるものの、言葉遣いとしては正しくない可能性があります。
たとえば、「お買い上げいただく形になります」は、「買ってください」と直接的に言う方が適切です。
また、「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」は過去形を使用しているため、文法的に疑問が残ります。
不適切な敬語の使用は意外に多いため、正確な言葉を選ぶことが重要です。
まとめ
「～の方」というフレーズを不適切に使うと、礼儀を欠いているとみなされることがあり、その結果、他人からの印象が悪くなる可能性があります。
「この人は正しい言葉遣いを身につけていない、軽率だ」と評価されることもあります。
多くの人が日常会話で「～の方」を反射的に使い、それが習慣化していることが少なくありません。
適切な言葉遣いには常に留意することが大切です。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました！
